都会の夜に出る月は
未有花

都会の夜に出る月は
ひんやり冷たいムーンライト
街角に漂うほのかな香り
そして誰かのひとり言
街の明かりに人影ひとつ
後ろの正面だあれ!
目隠しをして逃げたのはだあれ
ひちりぼっちの影と
月だけが知っている
都会の夜に出る月は
何かが起きる前触れ

都会の夜に出る月は
お伽の国の魔女ひとり
ほうきに乗って横切った
そして不気味な夜の街
高速道路に人影ひとつ
そこにいるのはだあれ!
口笛吹いて逃げたのはだあれ
水溜まりのぼうふらと
夜だけが知っている
都会の夜に出る月は
誰かの悲鳴が聞こえる


自由詩 都会の夜に出る月は Copyright 未有花 2006-09-07 12:51:46
notebook Home
この文書は以下の文書グループに登録されています。
夜の童話