未来
霜天

あの頃
画用紙にクレヨンで描いた僕の未来は
今どれだけ かたちになって
今どれだけ ここにあるだろう


一つ足を進めるごとに
景色が姿を変えていくような
約束されたこともない
いつからかそんな旅をしている


時計の針が右へ回っていく
規則正しいリズムはきっとこの世界そのもので
僕はそれを追いかけるように歩いてた
時計が止まっても見えないところで何かが回っていると信じて



あのときの絵はどこに仕舞ったんだろう



あの頃から見れば僕はもうすっかり大人で
いろんなことを知って いろんなことを学んで
ここにこうして蓄えてきたけれど
この掌には何が残ってるんだろう


少しずつ無理なことは増えていくし
いろんなことを思うようになった
真っ直ぐに見えていた道も曲がり角だらけで
迷うこともしょっちゅうだ


それでも
伸びていく道の霞んだあたりを
未来と呼んでもいいのなら
少しは信じてもいいのだろうか


あの頃 画用紙にクレヨンで描いた 僕の未来を


自由詩 未来 Copyright 霜天 2004-03-09 02:01:10
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