白雨


 道すがら、死体に出会う。
 何か不思議なことがありそうだ。

 虫どもの蝟集して、離散する
 万華鏡。

 夏の大気は、夕暮れの香水。
 その路傍ミチバタのあかい華。

 華は静かに解けてゆき
 誰とも知れず、砂となる。

 夢もなかなかあてにならないもんだ。


自由詩Copyright 白雨 2006-08-29 11:54:33
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