昼下がりのティーカップ
りぃ

君がくち付けたカップを見つめる
うっすらと白いカップに色づいた春の色
昼間の光りがカーテンとダンスする
部屋に彼女の姿は無く
彼は一人でカップを見つめる

パキン
ひびが。

昼間の団地に木魂する
サイレン
回転する赤

近所の人の噂話

交通事故らしいわよ
高校生くらいの女の子が…。

床が抜ける感覚がする
立っていられない
重力に逆らえなくなる

彼はただ椅子に腰掛けて
彼女の唇を思い出そうと
カップの跡に唇を寄せる

まだ置いて行かないで
一緒にいたいよ。



自由詩 昼下がりのティーカップ Copyright りぃ 2004-03-07 19:44:50
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