痛い
Keico

呟く声が
布団に染みてく

手首を締め付けた痕が
言葉を打つ力を奪う


心臓から流れてきた
真紅の味がする



一体何故

ここで産声を上げたのか
ここでミルクを貰ったのか
ここで泣き喚いたのか
ここで死を覚悟したのか
ここで
もう一度息をしようと思ったのか


何故

首を絞めたまま
私の目を見るのが
貴方なのか

首を絞められた
私の目を見るのが
貴女なのか


両手に収まりきらないほどの疑問を
無理矢理に抱えたまま

私は明日も
とびっきりの笑顔で友人と会う


傷跡は嘘をつかないだろうけれど


自由詩 痛い Copyright Keico 2006-08-27 01:09:58
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