*流れる星のさーかす 13*
かおる


熱量の足りない夏空の狭間の
ゆうやけ お山の向こうから
密やかに流れるジンタのリズム
風孕む ヒグラシの声
茜蜻蛉が沸き上がり
大時代なメロディに乗ってピエロが
一つトンボをきってジャグリング
雲の階段が夕立を呼び
ドラムロールがゴロゴロと唸り始めると
遠く木立の先にギザギザの煌めき
雨に拭われた夜は一点の曇りも無く
星の輝きも増していく
13日に迎え火を焚くと
流れ星に乗った御霊の動きも活発なようだ
命灯す蛍の揺らめきを☆の柄杓で掬う
空中ブランコ、綱渡りに火の輪潜り
ベガ、デネブ、アンタレスが
大見得をきり流れていった


自由詩 *流れる星のさーかす 13* Copyright かおる 2006-08-22 17:18:52
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