あてどない旅
ウデラコウ

君の声が この場所に響かなくなってから
もうどれくらいになるのだろう

数え切れなかったのではなく 数えようとしなかった
その数字は


僕に酷く曖昧で不確かな印象を与える

それでも 「君」という事象の欠落は
確実に僕を狂わせて 狂わせて

歯車はいくつ合わなくなっただろう


君がいなきゃ 機能しないこの世界で
既にもう 君がいなくて
どう働けというの。


進むことを忘れた この世界は
動き続ける この地球の上で どう働けというの。


流され 流され続けた小さな方舟は
いつしか船底に亀裂が入り
みるみるうちに 黒い闇に侵食される




救いの手を 伸ばしても
掴めるのはいつかの虚空だけ



この舟が闇に沈むまで

僕にできるのは




君を探す あてどない旅だけ



日々沈み 飲み込まれてゆく 舟の形をした
記憶と共に続ける




君を探す万里の旅






自由詩 あてどない旅 Copyright ウデラコウ 2006-08-19 23:38:27
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