ミスト
umineko
一滴の私は
無数に砕けて
無数の私
の
意識
もう
瑣末なことは
見えない
見たくない
ことば
ことばにまぎれ
あなたが見ているのは
ことば
私ではない
無数の針を私は受ける
だが
それも些細なことだ
私には理由があり
あなたには義務がある
立ち向かうのは
ことば
弱さでも
あきらめでもなく
ミスト
一滴の私は
無数に砕けて
さみしいからあなたのそばにいる
あなたからは見えないだろう
そんな場所で
あなたをしあわせにもしない
あなたは
なにも知らない
ただ霧のようにあなたを追う
あなたの今日が平和であるなら
それでいい
あまやかな童話も
祈りもいらない
ミスト
無数の私
今日もただ
ことばをなげて