蝉の日
こしごえ

空虚な腹部で
命と鳴いている
今日は夏だ
われんばかりの空だ
あぁ、こぼれてゆく

大地の精霊を
宿す
からだは
青空のもとで響く
首すじに光る雫を
ハンカチーフにすっと吸わせる
わたしは蝉時雨を
じっと見つめて
半音「あっ」
と宙に浮いた影の形が
静止しながら鳴り続けて
くちびるのすき間から
、こぼれてゆく
(ただいま

無影灯で照らされた
わたし、の腹部は
炭酸水のように透明で
異形に空っぽ
夏ではない日でも
思い出して下されば幸いです
木霊する日に









自由詩 蝉の日 Copyright こしごえ 2006-08-18 11:17:35
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