鳥の影絵 
服部 剛

「純粋」と「不純」の間で 
へたれた格好をしている私は 
どちらにも届かせようとする 
執着の手足を離せない 

一途に腕を伸ばし開いた手のひらの先に 
「透明なこころ」 
( 私は指一本、ふれたことはない。 

卑しく伸ばす震えた足先に 
「寝室の裸婦画」 
( 私は指一本、ふれたことはない。 

ふれえぬものは、なんなのか 
ふれたいものは、なんなのか 
わからぬまま「愛」をもとめてとびそこねる 



   私は空白の影絵。 



「純粋」と「不純」の空白に
不器用に翼を広げ、か細い二本足で立つ
私の影は、阿呆鳥のばれりぃな。 





自由詩 鳥の影絵  Copyright 服部 剛 2006-08-18 00:18:24
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