孤独な都会
ぽえむ君
地下につくられた大きく広い駅
地上に出るまでの小さく細い通路
急ぎ足ではないと
後ろとぶつかってしまう
機械から出される熱い風を
暑いと錯覚する
めまぐるしくファッションと経済が
身体を通り過ぎてゆく
ここにふるさとはあるのだろうか
彼らにふるさとはあるのだろうか
短縮されたカタカナと法律が
耳をすり抜けてゆく
これだけの多くの人がいながらも
孤独
これだけの多くのモノがありながらも
不足
人よりも速く歩かなければ
人よりも多く持たなければ
それがここの生き方
コンクリートの狭間から
わずか数センチの草が
佇んでいることを
何人の人が気がつくのだろう