孤独な都会
ぽえむ君

地下につくられた大きく広い駅
地上に出るまでの小さく細い通路
急ぎ足ではないと
後ろとぶつかってしまう

機械から出される熱い風を
暑いと錯覚する
めまぐるしくファッションと経済が
身体を通り過ぎてゆく

ここにふるさとはあるのだろうか
彼らにふるさとはあるのだろうか
短縮されたカタカナと法律が
耳をすり抜けてゆく

これだけの多くの人がいながらも
孤独
これだけの多くのモノがありながらも
不足

人よりも速く歩かなければ
人よりも多く持たなければ
それがここの生き方

コンクリートの狭間から
わずか数センチの草が
佇んでいることを
何人の人が気がつくのだろう


自由詩 孤独な都会 Copyright ぽえむ君 2006-08-17 22:01:03
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