渓流
ぽえむ君

ひっそりとした山の中に
一筋の銀色の水が
きらきらと輝きを放ちながら
そばに開く大きな葉に
花を咲かせるように
静かに脈をうつ

時折り光が流れの中で止まり
うたかたとともに消えてゆく

遠くでセミの声がする
林を見やれば緑と青が
鮮明に交差する

目の前を
トンボが無音で通り過ぎ
銀の光の中に吸い込まれてゆく

ふいに光が流れの中から浮かび
まぶたに手をかざさせる

空には白い雲が流れている

すべてが動きつつも
すべての時が停止する


自由詩 渓流 Copyright ぽえむ君 2006-08-16 21:40:28
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