in the circle
霜天

細かい雨が明るい空から降っていた
私はそれを両手ですくい取ってみた


今この掌の上の雨粒も
毎日私から湧き出す想いも
どこか遠いところに染み込んで
いつかはまた私の前に辿り着くのだろうか


昔も今も未来も
私もあなたも
夢も恋も
痛みも悩みも

手に入れたと思っては離れて
離れてはまたこの掌に戻って
あきらめては 追いかけて
座り込んでは また走って

いつまでも いつまでも
ぐるぐると ぐるぐると
いつか境界線が曖昧になるまで


私がいつか飲み込んだ水が
雨になって白く街を覆っている

ぼんやりと霞んで

空と海の境界線が曖昧になったみたいだ


私と景色の境界線が曖昧になったみたいだ


自由詩 in the circle Copyright 霜天 2004-03-05 17:35:10
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