累卵の誉れ
あおば

毎日ひとつ
卵を産んで
1年を
365日で過ごす
鶏の生涯は
凄まじいものと知る
夜を込めた清少納言は
雌鳥も知っていただろう

鬨の声を上げて
殺到する軍勢を
風車がなぎ倒してゆく
何度も何度も押し寄せて
一人残らず打ち倒されて
累々とした屍を見届けて
悠々と巨人は引き上げてゆく
ドンキホーテはうめき声を上げて
悔しがるけど
サンチョパンザは気にしない
よっこらしょと引き起こし
ロシナンテにも飼い葉をくれて
ロバにまたがり意気揚々と
村へ引き上げて
鉛筆なめなめ
英雄譚を認める



未詩・独白 累卵の誉れ Copyright あおば 2006-08-14 23:57:10
notebook Home 戻る