路上の蝉
服部 剛

炎天下の路上に 
せみはひっくり返っていた 

近づいて身をかがめると 
巨人のぼくにおどろいて
目覚めた蝉は飛んでった 
僕の頭上の、遥かな空へ 

瀕死の蝉も、飛んだんだ 

不器用な日々に弱りきっていたぼくも 
明日からまた、飛んでいける 





自由詩 路上の蝉 Copyright 服部 剛 2006-08-14 20:26:07
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