キャトルミュー
黒川排除 (oldsoup)

あばらが広がる音木星を抑えきれず

雉逃がして頸動脈を光らせる

きれいな布の折り目からつがいの妻

さながれて時々の口笛で育つ

あと一滴を水筒は滝の如く欲し

リバーシに赤混ぜて予感するバラバラ殺人

大草原に対し直角に見送る葬

糸垂らす十指それぞれに望む注釈

また罪で痛い目かくして谷またぐ

誰かの冒頭の石なぜ懐に海へ

一部欠けて輪でなく肩に刺さるだろう

献花台の逆光真似て暴れだすとかげ

苦笑し飛びかかるフローリングに無人の背広

本屋で字に出くわすたびうしなう記憶

宙に浮きダクトに耳当て唾を飲む

晴天無垢なる恐怖をただ敗走あるのみ

顎から上が無くて緑であれば花

寂滅の肌けぶらせ朦朧とツアー

運動場のフェンス外してナスカへ歩く

疑問形に線路を傾げてかみなりのくに


川柳 キャトルミュー Copyright 黒川排除 (oldsoup) 2006-08-13 17:12:44
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