プラネタリウムの底
少女的

競うように加速してゆく
コットンキャンディーの群れ
夜の芝のうえを 不穏に

湖につづく川面をすべって
あなたの髪のさきに ぼんやりと灯る光を貫いて走る
モンスターのうしろ姿

扁平の空を流れてゆく予感は
鼓動仕掛けのメトロノームにかわって
ドームの中心にいるわたしとあなたのからだを
管へと変えてしまいます

逆さまのプラネタリウムの底

あなたから伝ってくる言葉は
空っぽのわたしの心臓に反響して
星の瞬間を映すたびに
全身をふるわせる

この嵐にときめくあなたの胸に抱かれた反転の世界

まるい、世界のあふれる淵から影を零すのは
歪曲された黒い森でした

オーロラに染まるわたしのつまさき

裸足の指は名前のない星をさし
世界を乱反射するため
ただ 空を向いている



自由詩 プラネタリウムの底 Copyright 少女的 2006-08-07 05:36:24
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