何もない店
けんご

何もない風景を
何もない席に座って眺めている

テーブルの上には
冷たい緑茶と氷
それに煙草と灰皿と携帯

ここはファーストフードの店
何の事件も物語りも始まらない場所
ここでは詩なんて産まれっこない
皮肉なことに僕の馴染みの場所なんだ

このカウンターの向こうでは
汗水たらして働いている人が居るのにね
幽霊みたいに透けてるんだ






自由詩 何もない店 Copyright けんご 2006-08-06 23:00:51
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