孤児の祈りは、嘘の革命の火
狩心

晴れた空 夢のように 
舞い降りた 高い山脈の刻み
聞こえてくる 内股の涙
石が弾けて ドミノ倒しに歓喜する
それは自分の力ではない 時代の力だ
沸き立ち 伸び切ったシルエット
横に飛んでく家の力が 政治機関を押し潰し
高まる期待 それは怠惰の紋章 
円陣を組むミサイル 台所を放棄する 
高揚を感動と間違えて 先走った生命の躍動

叩きつけられた魚のピクピクとした生命に 情けを感じた事はあるか
頬を摺り寄せて そのまま 頬骨で生命を引き千切り
飛び散った骨が顎を貫通し 5億年の痛みを感じたか
イメージが連動して跳躍が閃き 今まで習得してきた語句は全て
全身の毛穴から放出され 細胞1つ1つに自立が確認される
( 独裁政治は終わり 民主主義となる )
ストロベリーシェイクの渦に着陸した 蝉の抜け殻は
一秒後には 言語機能を失った地球外生命体として ただ呆然と漂い
二秒後には 見知らぬ誰かに盗作される為に 新しい言語が生まれたか
産声らしき苦しみの泣き声は 猿真似の如く絶え間なく続く

180度回転 そんな時もある 景色が変われば テーマも変わる
賞味期限が切れた牛乳を吐き出した瞬間
ほんの数秒だけ 我を取り戻す 深呼吸の真っ只中
目に引っかかるピアノ線を避ければ 上唇と鼻頭と眉毛が一瞬にして削ぎ落とされる
哀れだが 巧妙に仕組まれた虫網の電波が 目まぐるしく何かを捕らえる
そうさ僕らみんな 真空パックのカマキリ

無酸素運動が加速すれば 脳味噌は爆発する 
パンパンに腫れ上がった血管が触手となって 家族が絞め殺される
「もう、お前は後戻りが出来ない」と、ただ一言だけ。兄貴が言う。
そうさ僕は残酷な人間だ だからこそ 誰よりも優しくなりたいと願う!
家族の亡霊が スーッと消えて 私には家族が居なかったと知る

感動の作品群 そこに教師が立って居る 
皮膚が爆風で剥ぎ取られ 飛び散る 圧倒的衝撃! なんたる奇行!
誰にも到達できなかった場所へ行く為か
そうだ それらは大衆の為ではなかった

私を見て欲しい みんなに何かを伝えたい
( そこに留まって居ては鳴らない鐘がある )
そんなに自分で自分を雁字搦めにして洗脳したいか!
胸を張って聳え立つ建物の中に個性は無い
崩壊した建物の瓦礫の下の 誰にも見えぬ所にそれはある

不変的に冷凍保存されたものなんて嘘さ
芸術性を失い ただの情報と化す そうは思わないか?
それに従う者は 歴史に飲み込まれて 手足が動かなくなる
芸術は残る物ではない 消滅する為の活動

崇高な教祖を殺し 崇高な信者よ集え
アスファルトで前転を繰り返し 首をへし折る覚悟で挑め
犬死は人間の証だと 隣の人間と分かち合え!

10分休憩の間にトイレで用を足した後
良心臭い両手を洗い落とし 世界中のゴミを書き集めて
時間軸の無い電子文字を ホコリまみれにしようか
そうすれば 一重瞼だろうが二重瞼だろうが バチバチと音を立てて燃えるよ
様々な用語辞典も一緒になって踊り出し メラメラと燃えるんだ

狂っている 時間の使い方も 歩き方も 狂わせている 
1分間に心臓を200回も鳴らす! ああ 想像しただけでも恐ろしい
私が私である意味は無くなり 嘘は嘘じゃなくなる
愛してくれた人よ ありがとう そして 私を忘れてくれ
私を儚い者として 地獄絵図に描き止めて置いてくれ

才能よりも やさしさを 才能よりも やさしさを ( これが子守唄だ )

得たいものは 優越感かもしれない 優越感かもしれない 
そんなまさか! なんと情けない劣等!


自由詩 孤児の祈りは、嘘の革命の火 Copyright 狩心 2006-08-04 15:12:14
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