アンドシー
黒川排除 (oldsoup)

降り抜けば雨も積んでやろう

家々々から人々々がゞゞゞゞゞゞ

鵜が羽ばたきをやめ虚空を見つめていた

仮の名は嬲ってあるためよく見えない

雑草に甲羅を着せて森語らず

俎上にいてパン毟るほど受精する

血を垂らす寒冷前線よもすがら

直線を引くどこまでも水没

先人は十年屈んで住居になる

逆の逆で窓叩き割る一期一会

収容所とは何だろうまず、ひとが要るな

雨脚あれば雨の二の腕もあり首出す

思いとどまる手のかたちの雲ひとをさらう

業の火を背負い無害の象が鳴く

後頭部と知れ渡る程の長い悲鳴

誤射の報せメルヘンの国ではケーキ

ギーと鳴く猫の体中に念仏

死求む他人に放電 怨みと知るがよい

水面歩くチクチク校舎の屋上まで

天井が、低い ああ、蛍光灯だ


川柳 アンドシー Copyright 黒川排除 (oldsoup) 2006-08-04 01:24:29
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