美風(ちゅらかじ)
佐野権太
腹に響くエイサーの
どごん どごん
飛び跳ねる常夏リズム
どどごん、かつ、かつ
手踊りが咲き
歯は白く輝き
乾いた
三線
(
さんしん
)
の
音
(
ね
)
が走り出す
空を切り裂く指笛の
ぴゆぃ ぴゆぃ
あどけない翼の描く
ぴゆぃゆぃゆぃ
ひとが溶けてゆく
喜びも、哀しみも
小さく分け合い、泣き笑う
ひとが景色に溶けてゆく
じぃちゃんも、ばぁちゃんも
まごも、ひまごも
飛んでゆけ
振り切った想いに
負けない速さで
晴れわたる恵みの空へ
ハイヤ ハイヤ
生きる力
漲
(
みなぎ
)
る
ハイヤイヤイヤ
良い子も、悪い子も
キレる子も、耐える子も
風はみんなをつれてゆく
何がチガウというのだろ
何がワカルというのだろ
美風
(
ちゅらかじ
)
はいつも等しく
海へ
高く
自由詩
美風(ちゅらかじ)
Copyright
佐野権太
2006-08-03 12:44:27
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