「都市」
鷲田 岳
水玉の色が弾け、透明な液体が君となる。
退屈な午後に未知が刺激を与える。
嬉しさに身体を任せ、
近似眼が両目にガラスのフィルターを貼り付ける。
大衆の誘惑が社会に気付き、斜陽する。
彼方から夕日が傾いていくと街は彩りを身につけ、
無くした一片の語りが道端に捨てられている。
僕らはいつまでもこの無くしものに安堵するのか。
設計された建築材料がまた分解される。
計算された数値が感情を持ち創める椅子の上で、
出会いが彼女と彼を一つの獣に回帰させる。
自然の法則は都市の中で反抗し、
権力がエナジーに吸い込まれ、
気流の瞬間、
否定を交す。
無機的な現実の到来が地図の中で記号する。