星の歌
青色銀河団

水底で青くゆれる渋谷
さなぎのおまえが吐く息
夜明けの衣擦れ
天使の痛ましい肉
天使の持つ寂しい性器

いつか
分解作用によって
ぼくらも
この星になる
星影となって
抽象の翳りになる

幼い海にまどろむ君は
かわいそうな花びらだね
ただよううちに追放されて
過去のなかにも
未来のなかにも
ひとりきり

それでも
結び目を
ほどいてはいけない

地球は大きな鈴なのだから
鈴の音は
別れの夕陽に隠れている
古い練習帳に隠れている
赤子の泣声に隠れている

いったい
誰が鈴を鳴らすのか



未詩・独白 星の歌 Copyright 青色銀河団 2006-08-01 01:32:55
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