ゆうやけくつした
石畑由紀子
道のひとつも間違えず
毎日を器用に歩きながら
私はここずっと
半分行方不明です
タバコを吸おうと
ベランダの窓を開けると
残りの半分が
風にはためくので
飛ばされないように
また
笑顔を作ってみる
顔に射しこむ夕陽が
こんなに哀しく染みたことなど
今までなかった
自由詩
ゆうやけくつした
Copyright
石畑由紀子
2004-03-02 00:55:10