百日紅
Rin.

昨日は切なさを
今日は愛おしさを
明後日は狂おしさを
一枚
また一枚
引き剥いだ心から溢れ出る
あかい
あかい溶液は
あなたの眺める空を
あなたの愛でる花を
染めぬいてくれるでしょうか

鋭い薄紙の
小さな花片を
百を読みながら
重ねることしか叶わぬのなら
せめてそこに
ありがとうと綴らせてください

振り返れぬ渡月橋の
百日紅
ひとひら流れる夜

       願わくはあなたが
          ひとりで越えてくれますよう



自由詩 百日紅 Copyright Rin. 2006-07-26 00:35:22
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