4、鍵 【かぎ】
雨宮 之人

そう 私たちは
日常のドアを開けながら生きる
何事もなき
それでいて それなりに満足な

おんなじ時間の
おんなじ場所で
毎日毎日 繰り返し
人々は皆 すでに盲者もうじゃ

握り締めた鍵を
自分に突き立ててみよう
行き先も告げない 鍵穴に挿して

問いと答え 見つからない
境界のない世界 掌の上
そんなこと皆 幼い記憶でわかっていたのに


自由詩 4、鍵 【かぎ】 Copyright 雨宮 之人 2006-07-24 23:22:41
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