アイリス
るるりら

砂漠がたったひとつの井戸を隠していたころから

私の瞳は たったひとりの姫を隠していた

床は真四角の部屋 天井が一点で結ばれている部屋で

彼女は いつも たったひとりで 永遠を歌った



乾いた城のたったひとりの住人は

宇宙でも たったひとりだったので

泣くことも 笑うこともなく

彼女は いつも たったひとりで永遠を歌った



泣いてみたいという永遠の祈り

笑ってみたいという永遠の祈り



摩訶不思議な時間が

いくつも流れ

彼女は私という砂漠の たったひとつの井戸となった



だから 私は

いつも笑う

だから 私は いつも泣く




そして ときより

星が降る


自由詩 アイリス Copyright るるりら 2006-07-11 16:01:12
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