揺れもせず、ただ君と
たりぽん(大理 奔)

すぎていくものに吹かれて
川辺で季節におびえ
一掴みの名も知らぬ萱よりも
かほそくゆれ
ただ老いていくことに
腐っていくのでしょう

笹舟のように
未来にむかってちぎれていくものが
時だというのならば
体の中にトロトロと蓄積していく音は
関係にかたちだけを求め
やさしさという名前を
好き勝手に付けて
ただただ
傷つけていくのでしょう

   天高く越えていくもの
   すべての境界線を越えていくもの
   次の生を許されるのなら
   渡っていく雁のように
   星雲も星座も飛び越えて

でも弱い私は
今はどうしても
ぬくもり、で証明されたいと
幾百の願いで飾られゆれる
星渡りの灯台の下で
きつく抱きしめるのです

きつく抱きしめるのです
そう、揺れもせず、




自由詩 揺れもせず、ただ君と Copyright たりぽん(大理 奔) 2006-07-09 23:06:24
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