金と銀の
宙空 心

溶けて無くなるんだ
バターみたいだ
僕の理性なんて
所詮ただのコルク

そんなのもう
哀れでしかないね
少し揺さ振りかけられただけで
もう圧力に負けてしまう
吹っ飛んでさよなら


ワインはもう台無し
熟すだなんてとんでもない
もう垢抜けてしまったよ
成熟する前に
あぁ、さよならだ
さよならなんだ
可哀相だね


君が落とした
ただひとつのモノ
溶けて無くなったコルクは
何を護っていたの?

噴水から出てきて
手伝ってやろうか
今 僕が手にしている
この両手の
君を侵食する狂気と
反吐が出るほどの優しさ


さァ、君が落としたのは
どっち?




*short cut*

飲み干すはずだった美酒
熟し切らないで飛んでった
こんな正気の沙汰みたいな
狂った状況は要らない

嗚呼、もっともっと
本性を呼び醒ませ


自由詩 金と銀の Copyright 宙空 心 2006-07-09 14:17:02
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