突き当たりの病院
チアーヌ

通りの
突き当りには
とても大きな
古い病院

薬と
消毒と
おしっこの匂い

クリーム色のカーテン
ひびの入った白い壁
触ると
とても冷たい
わたしは病気で

入院した時のことを覚えていない

寂しくて
甘くて
くすぐったいような
そんな

早くたこやき買ってきて
お母さん

看護婦さんがね
いいって言ってくれたよ

お母さん早く来て
お母さん
お母さん

もうないのよ
あの場所は

たぶんでもわたしはきっと
あそこで



自由詩 突き当たりの病院 Copyright チアーヌ 2006-07-07 21:15:11
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