コウノトリが飛んでこなくなった日に
恋月 ぴの

コウノトリの飛来を告げたとたん
「あなたは要らない邪魔だ」と言われた
明日への架け橋は
明日の幸せは
求められてはいないらしい
求められているのは機械でいること
物言わず働くこと


ふたりの少女が陸路はるばる目指した
日の出る国ジパング
彼女達は信じていたのだろうか
潜り込んだ貨物列車に揺られて夢見たもの
それは約束されたはずの桃源郷
黄金の国ジパング


フランスファイブがエッフェル塔を守るなら
ゴレンジャーに守って欲しいものがある
天使のようにまんまるな黒い瞳と
甘いミルクの香りする小さなくちびる


コウノトリはどうしたものか悩んでいる
せっかく飛んでいっても
決して感謝されることの無い
不可解な微笑の国ジパング
無医師となった小児科病棟の片隅で
ひとりぼっちのキューピー人形
「忘れちゃいやだ」と涙ぽろぽろ流してた






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自由詩 コウノトリが飛んでこなくなった日に Copyright 恋月 ぴの 2006-07-06 23:00:06
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