Rainy
umineko

助手席の内側に
さよならって
指で かく

いつか
内側が曇るほど
ひどく雨が降った日に

思い出してくれたら
いいけど

それとも
あなたの大事な人が
みつけて
少し遠い目で

きれいに
消してゆくのかな

何ごとも
なかったように


はーって
息を吹きかけて
くれたら
それはそこにあるのに

あなたは
右折することばかり
気にしているから
それが見えない

対向車線は途切れなく
ヘッドライトが怒ったように

流れていく
流れていく

気がつかないのは
あなたの特技

私は眠る
鳥のように





未詩・独白 Rainy Copyright umineko 2006-07-06 07:16:42
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