まいる
砂木

ミサイルを撃ち始めるとは思わなかったので
ことのなりゆきに とまどう

中国へ弟が二ヶ月ほどいるのは
会社の仕事だし
行ったばかり

北朝鮮への経済制裁がはじまった
それは 敵地ということで
それぞれの関りあう人達へ
微妙な影がおちるのだろう

私はといえば
いきなり言葉も知らずに外国へ行かされ
飛行機が飛ばなくなったら帰ってこれないのかとか
もし 我が町にミサイルが命中して故郷が消えたら
弟は帰ってきても ひとりぼっちだとか
よからぬことばかり 思ってしまう

拉致監禁から拷問まで ひととおり巡って
まいったな

しかしながら 親にこの話題は厳禁だな
口は達者でも 年寄り

戦争は もうはじまっているのか
国の政策にまきこまれて殺されても
文句言える立場じゃないだろうって
普通の若者の死は 受け流された
イラクでの事

中国の人と仲良くするために
卓球の道具でも持っていったらどうかって
言い忘れたけど

ひとりじゃ帰ってこれないだろうな
飛行機なんかに ミサイル
あたらねばいいのもな



自由詩 まいる Copyright 砂木 2006-07-06 06:49:24
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