うっしっし
たもつ



校長室には牛がいました
校長先生の牛でした
健康に育ちました
たくさん話かけました
ある日牛が大きなあくびをすると
校長先生はその中にとび込みました
牛だけが後に残されました
旅とはいつでも
大切なものを置いていくものですから
カーテンに開いた穴から
五月下旬の陽が差していました
子供たちの出鱈目な声が響いていました
照れると二の腕をかく癖がありました
楽しいことにはよく笑いました




自由詩 うっしっし Copyright たもつ 2006-07-04 19:50:53
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