楽園六日間 四万円でお買い上げ
藤原有絵

蒼い空と
碧の海と
あと 白い砂 一面の

パックにして売られている


六日間の有給を
四万円の記憶にしようと


亜熱帯の島で
美しい飲みのもを唇にあてて
指から零れる砂に
ノスタルジーをみる演出


楽園を買いにいこう
会社の休憩の一時間に
代理店の窓口に並んだ
きちんとした笑顔に相談して


気怠い夜に星を観たいんです
できたら 地球を半周するくらい遠くで

僕の国には上らない星を
拍手のような眩さで


南国の果物をお腹にいっぱい
こんがり肌を焼いて


楽園を買いにいこう
決めた

カバンに詰めた疲労を置き去りにして
僕ら正しくリセットされるんだ


美しい島で
限定空間に浸かってしまおう


自由詩 楽園六日間 四万円でお買い上げ Copyright 藤原有絵 2006-07-04 14:41:16
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