楽園六日間 四万円でお買い上げ
藤原有絵
蒼い空と
碧の海と
あと 白い砂 一面の
を
パックにして売られている
六日間の有給を
四万円の記憶にしようと
亜熱帯の島で
美しい飲みのもを唇にあてて
指から零れる砂に
ノスタルジーをみる演出
楽園を買いにいこう
会社の休憩の一時間に
代理店の窓口に並んだ
きちんとした笑顔に相談して
気怠い夜に星を観たいんです
できたら 地球を半周するくらい遠くで
僕の国には上らない星を
拍手のような眩さで
南国の果物をお腹にいっぱい
こんがり肌を焼いて
楽園を買いにいこう
決めた
カバンに詰めた疲労を置き去りにして
僕ら正しくリセットされるんだ
美しい島で
限定空間に浸かってしまおう