おとといは過去だ
黒川排除 (oldsoup)

きのうのじぶんと重なりにゆく彼岸まで

落ちた空の木片踏んであげる悲鳴

そんなに脇腹を痛めなくてもいいよお別れだ

旅の終わりより先に鳥居見えてくぐる

過去へ戻る ゼロはもう閉じてあった

低空を張り裂けながら丘をめぐる

花に不備あり夏日の庭を生きて還らず

残党は散り散りに胡椒振り多忙

あらかじめ雨よぎるときどきをおもう

挙手何度も外骨格を押し上げて

風土と国が分かれる六時に時計がない

高台へいくほどくらやみ横にして

透明になれぼくは杭を打たない

全地面つなぎめなくたじろぐ水

売場の少女は砂にまみれて鉄板叩く

スカートは縦穴底なしはだしぐるり

火炎を握って夜を南に配達夫

ドーム内部もジュラ期のまぶたのように白い

蛇の輪を泣きながら首に、首がない

床に落ちた髪をもう一度切っている


川柳 おとといは過去だ Copyright 黒川排除 (oldsoup) 2006-07-03 21:34:29
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