ハニーウィスキー
プル式

酔っ払ったみたいに踊る僕の手に
気が付いたら君の手があった
変な言い方だけどそんな感じ

おでこをくっつけて微笑みあった二人が
そのまま見つめあって
溶け出していく夏の夜の匂い

細波のきらきらと光る海に行けば
空と海がおでこを合せて
溶け出して行く季節はスープの味

まだ少し寒い明け方に散歩に出て
口笛が上手くふけたなら
きっと素敵なことがあるのさ

ほらご覧よ透明な空には未だ
星と月と太陽が浮かんで
夜と朝をつなぐ朝顔を照らし出す

君の町が少しだけ遠くだといいのに
そうすれば毎日君を思いながら
電車の中から手紙を書くんだ

君は今なにしてるって
僕はこうだよって
そんな手紙
ラブレターじゃなくて

砂に描いた思い出みたいに
力強く君に残るといいな
きっとそれだけは溶けたりしないから

休みの日には踊りに行こう
さっきみたいにおでこをくっつけて
今度は初めから手をつないで


自由詩 ハニーウィスキー Copyright プル式 2006-07-03 03:27:12
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