追いつけないよ。
プル式

誰も知らない顔をして
通り過ぎていく君の強さ

夏の制服の薄いシャツから伝わる
淡い匂い 淡い声 淡い想い

すべてが溶け込んだような
プールの塩素の匂い

もう過ぎてしまった七夕は
一度だけしかお願いが出来なかった

少しだけ夕暮れの匂いが
錆びたトタンのように懐かしくて

帰る家を思い出すのに
わざわざ君の家の前なんか
通らなくても良かったのに

付き合ってよなんて
ドキドキしたのはいつだっけ

照れて笑った君の顔なんて
思い出したくも無いのに
涙みたいに止まらないよ

天の川なんて誰も渡れなければいい
彦星なんて大嫌いだ

最後に一言だけ言わせてよ
君が好きだったあの小説
今度映画になるんだよって


自由詩 追いつけないよ。 Copyright プル式 2006-06-30 03:08:07
notebook Home 戻る
この文書は以下の文書グループに登録されています。
季節もの
恋の歌
作者が好きな自分の作品