よくある話〜あめあめふれふれ五七五
AKINONA

雨が降る中をとぼとぼ面接へ 心だけでも詩人でありたい

この雨に濡れたスーツを乾かして 君の悲しみ蒸発させよう

びしょぬれになった子猫を抱きしめる様にあなたを抱きしめたかった

悲しみは一体何色なのですか ざああざああと瑠璃色の雨

雨が降るその日は朝から夜だった 光差さない北向きの窓

頑張れよそのうち虹も出てくるさいつか奢るよ雨がやんだら

「蛇の目」って一体何? と母に聞く 雨の日お迎え保育園にて

「自転車で帰れるかなあ」雨模様 空を見上げる青春の日々

恋すれば電信柱に飛びついて「雨に唄えば」真似して踊る

失恋の諸相は雨によく似てる やまぬ雨などないのだけれど

雨の音ピヤノの音がレコードの針を突っつくショパンの「雨だれ」

少年よ雨に負けるな走り出せ栄光の待つ甲子園へと


短歌 よくある話〜あめあめふれふれ五七五 Copyright AKINONA 2006-06-28 09:14:04
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