婚姻と同情のあいだ
山内緋呂子

黒いカーテンでよかった

遮光カーテンは甘いのだ
まえに
水蜜をくわえて 跳ねた汁をなめたら
甘かったからほんとうだ

ふくらはぎの下で
かりっこりと かりっこりする

彼の爪だ

「爪のとばない爪きり」を何度買っても ずっととばす


一緒に暮らすなら 爪のない男にしよう




それは気持ちが悪いだろう

生きるなら それは気持ちが悪いのだ


未詩・独白 婚姻と同情のあいだ Copyright 山内緋呂子 2004-02-24 17:07:02
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