黒い深爪
朽木 裕

繋いだ手に力を込めて祈った先に赤いそら。

一生守るよ、なんて言葉の呪力

約束ならば私より先に逝かないで。



黒く塗られた爪から夜が逃げていく。

だから

繋いだ手に力を込めて祈る。



どうかどうか。

貴方の隣りでずっと私が笑っていられますように。

どうかどうか。

私の隣りでずっと貴方が生きていますように。



涼やかな月を眺めて手を繋ぐ。

愛しすぎて傷付けるのが怖い、なんて言葉

貴方にならどれほど傷付けられてもいいと思う私は

確かに此処に存在するのに。


自由詩 黒い深爪 Copyright 朽木 裕 2006-06-19 23:23:15
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