哀しみを 
すぬかんながぐつ。 

 
 哀しみを 拭うようにして 雨が降る

 石楠花や やさしい 雨と こだわりと

 食堂の 横に プールが ぽつんと あり

 制服の 吾を 包める 熱い 御茶

 通学路 隣家の 庭に 石榴 為る 

 夾竹桃 吾を 励ます もの 如し

 昆布茶 のむ 吾に やさしい アジなりし

 音楽室 ピアノの横に 男の子

 バッハ引く 吾に 運動会の 音 聞こゆ

 将来は なにを するなり 通信簿

 友人の 今日は すてきに 見ゆる 朝

 トモダチノ 憂かれ 話に ため息を

 母のする 将来の話し 意味も なく
 
 大學の 狭き 門など なんのその

 と 詠える 吾も もう 三十路














 


俳句 哀しみを  Copyright すぬかんながぐつ。  2006-06-17 15:39:13
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