ネロリのこいふみ
藤原有絵
放った言葉は
宇宙葬
想われた言葉は
さようなら
糸の切れた凧のように
僕は自由ですね
されど
日々は変わらず続き
空の色さえ失っていません
その普遍性に
安堵し
途方に暮れる
でも
いいのです
ひとつ弔って
ひとつ産声をあげて
桃のようにすくすくと
子供たちが育っていきます
僕のすぐわき
くるくるとはしゃぎながら
愛おしい
知らぬ想い
追わずとも
僕は先で待っている
自由詩
ネロリのこいふみ
Copyright
藤原有絵
2006-06-15 21:40:12