星を、かぞえてはいけない
たりぽん(大理 奔)

月は
硝子に描かれた設計図なのです
半透明に、透明に
あるいは暦のように

時は
暦の影絵
季節を待ちこがれた獣が
手に入れた花占い

君は
峠ではためく経文布タルチョなのです
風の音でなく、あらゆる音でない
聞こえないあの祈り

君を唯一の暦にして
私の鼓動で刻む、その時で待ちましょう
夜空を、振り仰いで季節を

巡るものだけを見送って
すべての星にひとつずつ
それぞれの名前を付け終わるまで

ああ、星を数えてはいけない





自由詩 星を、かぞえてはいけない Copyright たりぽん(大理 奔) 2006-06-13 01:54:34
notebook Home 戻る
この文書は以下の文書グループに登録されています。
私的星座盤