鬼ごっこ
tonpekep

かくれんぼうを捜していると
日が暮れ出すばかりか
いつの間にかサラリーマンになっていた
そうして欠勤者の中に彼を見つけた
電話をかけて理由を聞くと
厭きちゃったからという
今度は君が鬼だからねっ
そう言って電話をガチャンと切ると
彼は本当の鬼になって逮捕されてしまった
報道ステーションで彼が映っていた
手錠をかけられているところにタオルが被せられていて
白骨温泉のロゴが見えた
うなだれた頭の上には角が一本立派に生えていた
これからぼくはどうしたらいいのだろう
見つけられに向かわなければならないのか
絶対に見つからない押し入れに隠れていたぼくとしては
それはそれで悔しい


自由詩 鬼ごっこ Copyright tonpekep 2006-06-09 19:45:38
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