シリウス
石瀬琳々
夜を裂く青星の爪 雄たけび上げ
駆け下りて来い わたしのなかへ
夜の天蓋に
静寂
(
しじま
)
はこぼれ
瞬くのは
ただ蒼い隻眼
その牙は光り その爪は光り
そのたてがみは光り
今こそ夜に自由になれる
私の狼よ
焼き焦がすものよ
今もその
眸
(
め
)
で見つめられ
私はそっと瞼を閉じる
静かに光っていく
降りていく 私の中へ
孤独な獣が駆け抜けてゆく
アルファ・シリウス
淋しい君の名前
自由詩
シリウス
Copyright
石瀬琳々
2006-06-09 15:19:59
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