奏々、
ふもと 鈴


 砂漠吐く 大地を北に追いやりて 
  掌でひろげゆく 花鳥風月

 三面の視線を 井戸に通したる
  水面ゆらすは 深紅の星空

 くずおもちゃ 集める地平は紙の上
  いつか夢見たベンヤミン

 波紋する 円心さえも取り除き
  往信させるは 全き光源

 春風に 応える花はうすき赤
  架け続く橋は 広き桃源



短歌 奏々、 Copyright ふもと 鈴 2006-06-06 21:40:29
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