ぽえむ君−汚石−
ぽえむ君
ぼくは詩を書きたい
たとえ小さなことであろとも
たとえ汚れた心があろうとも
今日があれば
明日は必ず来る
今日もまた
朝の散歩をしていると
汚れた石に出会いました
土まみれになったその石は
道ばたに無造作に
周りの草花と溶けこむことができず
孤独に転がっている
小川の底に沈んで落ち着けばよいのか
草の中にうずもれて隠れればよいのか
土の道の上で人に踏まれ沈めばよいのか
風にまかせた動きに委ねるのか
人にどかされるのを待ち続けるのか
石は汚れたまま
夢はあるのだろうか
夢を見るのだろうか
きっとあるにちがいない
この石にも
今日はあるのだから
明日は来るのだから
風が石についた土を
ほんの少しだけ吹き払いました
明日もまた
語るための詩ではなく
黙らせるための詩を作りたい