これから

強がった右手に
透明の微熱を握り締めて
失くしたものが届くのを待っている

帰り際には
いつも 何かが足りない
何一つ
持たずに出かけた
そんな日でさえも


昨日も来た道を
何度も 何度も
振り返りながら歩いていると
立ち止まっている人にさえ
追い抜かれていく


日焼けした壁にかかる
月末のカレンダー
過ぎた日が
確かにあったことを
静かに語る 空白

破られたその時
月日は 言葉は 想いは
どこへいくのだろう



いくら目を凝らしたところで
戻っては来ない時間が
ここにはあって
落としてはならない時間が
これからやってくる

明日について
わかることは少ないけれど

今開いたこの手から
昨日に溶けていった想いに
また いつかの日の夜
大きく手を振れたならいい

そんな空想に
一人 願いを込めている

予定のない カレンダーを見つめて


自由詩 これから Copyright  2006-05-28 13:24:48
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