執着歴
クリ

落葉舞い散る 停車場は
哀しいうたの ふきだまり
夢を吐き捨て 打ち果てよ
こんな所へ 何故来たものか
今日も独りで 明日も独りで
端からヒトは 独りだったか


ぐるぐるくるり きりきりと
続けることの 大儀さになお
ナオもって 嘘を希うと



とうとうこんな 風の死んでる 野道へ来ては
もろこしの 葉裏に乾びて パタリ突っ伏す
なんという 淋しいヒトの 来歴よ
ナオもって 真を希う
なんという 切なさの かたまりよ


    かきいだき   おもいうつせ
    むねにしたたれ なぐさみのみず
    らくになれ   らくとなれ
    なすりつければ むげんのしじま
    おもいはせるは かぜのふるさと


くるくるくるり くるおしい 無気力を呑み
1ミリの虫の 身じろぎを聞く
そしてナオ ヒトはまた 1ミリだけ と
身を起こす 靴を履く
切符を買おう 片道切符を


    ----パクった千家和也と奥村チヨと萩原朔太郎に会釈しつつ、嘉村奈緒に捧げる---

                   Kuri, Kipple : 2002.08.23

フォーラムにも投稿されている嘉村奈緒さんの誕生日に即興で書いたプレゼント。
これもアナグラムがふたつあります。本人が気づいていたかどうかは知りませんが…



自由詩 執着歴 Copyright クリ 2004-02-18 01:46:36
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